ここ数日、気学の話を立て続けに出したらめちゃくちゃ調子を崩し、なんだろうやっぱり私にとっては超真実だけど、誰かにとっては不都合な真実を書くことでもあるからそういうのってエネルギー使う。争うつもりはないし、それぞれに解釈の違いがあるからこの世は面白いし、正解なんてないから、自分が信じたいものを信じればいい。でもそれは、外にあるのではなく、自分の内側にあるものだから、いつかは外の刺激によって自分の内なる感覚や、価値観、世界観、哲学、そういったものを掌握できればいいと思う。そういう人が増えるために、いつでも誰かの当て馬でもかませ犬でも在りたい。
疲れた時は本が読みたくなる。なるべく参考書や実用書の類ではないものが。それでふと、何を読もうか考えた時にある人の本の紹介が目に入り、これを買った。Amazonさんすぐ届けてくれて本当にありがとう。
実はこの本、何度も私の人生の前に現れている。本を読むことは好きなので、人の家に行くとずっと本棚を見てる。たぶん人の家で冷蔵庫を漁るのと同じくらい失礼なのだが、この悪趣味ばかりはどうしようもない。本棚ってその人そのものだ。興味関心が現れるだけではなく、何を大事にしているか、恐れや不足感・無価値感も雄弁に語る。
何度か立派な書斎を持ち、多くの本に囲まれている人たちの本棚を見た時、この「アルケミスト」は必ずあった。そして、1000冊を超える本の所有者に毎回こう質問してきた。
「この先の人生でたった1冊だけしか本を持っていけないとしたら、この中から何を選びますか?」
そうすると本当にみなさん真剣に考えてくれた後、各々の答えを言う。過去に2人の人がこの本「アルケミスト」だと言った。
これはマイルールとして持っているのだけど「違う人に同じことを3回言われたら天啓と思え」というのがある。今回、アルケミストに3票たまったので「いま読めってことやな」と捉え、読んでみた。最初の出会いから既に10年は経っていた。
読んでみてまず思ったのは
すごない?
これ一冊あったらもう本要らん。
と思ったほどすごかった。完全にナメていた。海外の作家さんだし、どうせ和訳の時点ですごく読みにくい感じになってるんでしょー?と思っていたし、副題が『夢を旅した少年』だから、どうせ少年の夢と希望にあふれたキラキラ冒険奇譚でしょー?あたし、そういう薄いの好きじゃないの。ごめんね、アンタが思ってるほど、あたし、簡単なオンナじゃないから。とかすげー思っていたのに
パウロ・コエーリョ先生
すさまじき!!!!!!
翻訳の山川鉱矢さん山川亜希子さん
恐るべし!!!!!!
もうね、もうね、自己啓発本100冊読むなら、これ1冊に全てが詰まってるからこれ読んだ方がいいよマジで。わたし長い間、難病指定の「中二病」って病気をこじらせて生きて来たけど、中二病に効く特効薬これやん!!!って本当に思った!生きる意味とか、人生とは何かとか、どう生きればいいかとか、全てこの中に詰まってるよ!?
更に心理学の勉強も超してきたけど、人がなぜ心を病むのかとかどうして行動にブレーキをかけるのかとか、そう言ったものの答えが全て書いてあって
コスパ良すぎじゃね!!!?
文庫で持ち歩きしやすくて
これで560円(税抜き)!!!?
価格の100倍価値ある内容だよ!!?
生まれて初めて、人の印税気にした(笑)でもハードカバーで購入の人もいるだろうし、それ以上にこの本の初版は1988年だし、各国で翻訳された世界的大ベストセラーで『世界中でもっとも多くの人に読まれている50人の作家のひとり』らしいしで、私がパウロ先生の印税を気にする必要はなかったし、なんなら私の方がパウロ先生から心配されて然るべき立場なわけで、もうなんか色々恥ずかしい。
この本の価値はとにかくすごいのだけど、読んでみて思ったことは「人生で何度でも読んだ方がいいな」ということ。それくらい、素晴らしくて、そして難解でもある。全ての行に捨て台詞なしなので、もう珠玉の言葉たちが宝石のように散りばめられているのだけど、それを理解するには経験が必要だなぁと感じた。
10年前に読んでいたら、私は多分この本から「パッション」しか受け取れなかったと思う。もちろんそれも素晴らしいのだけど、外的要因で上がるパッションって血糖値に似ていて、急激に上がって急激に下がると、その後だるくなるんですよね。
人からもらうパッションやインスパイアって快楽性が高いんですよ。アドレナリンがギャッと出るから、なんだか自分も出来るやれる!!みたいになってしまう。でも快楽って消費物じゃないですか。そうすると冷めた時、体験以前より状態が下がることがあるし、更なる刺激を求めてさ迷うことになる。
だから本を読んで大事なのは、消費物として読むのではなくて、この一冊から何を学び、具体的に自分の人生にどう落とし込んでいくかだと思う。つまりは学んだことがあったら、それで終わりにせずアクションを起こして、学びを自分の体験に変えて行くこと。もしくは本からもらった勇気は、ちゃんと振り絞って現実世界で使う事。
パッションは自分の内側から燃やさないと続かない。
私の好きな言葉で「本や勉強から学んだものは『知識』だが、それを自分の人生に使うと『知恵』となる」というものがある。
この「アルケミスト」の作中でも、錬金術師が
「学ぶ方法は一つしかない」
と錬金術師は答えた。
「それは行動を通してだ」
というセリフを言うのですが、本当にそうです先生!って本に話しかけたくらい激しく同意した次第。すんごいいっぱい本を読むから人生が変わるのではなく、読んだ一冊の中から学んだことを実践し、「行動」に移すから人生は変わるのですよ。
関連話として、「この世で最も素晴らしい文学作品」と呼ばれている作品がなんだか知っていますか?個人的には、読み手の数だけ自分にとって最も素晴らしい作品があるのだと思うけれど、一応文学史上最高峰と謳われているのが、ゲーテの「ファウスト」なんです。

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この作品、超難解!!!
わたしは3回通しで読んでやっと内容を把握した次第。それもそのはず、これはゲーテが60年かけて完成させた詩曲なんですよ。一つの作品に60年かけるなんて、もう情熱をり越して執念だと思うけれど、彼がそれほを長い年月をかけて紡ぎ出した物語は、まさに人間の全てを描き切ったと言っても過言ではない。人間の喜びと醜悪の全てがここにある。
ちょっとだけあらすじを言うと、ファウスト博士という年老いた天才が全ての知識・学問をおさめこの世に知らないことは何もないというほど、世界の全知識を学びきったが、結局人生どうにもならない、自分は年老いて死ぬだけだと絶望したところに、メフィストフェレスという悪魔がやってきて「色んな体験をさせてあげるよ!でも満足したら君の魂を僕に頂戴!!」みたいな、なんか魔法少女まどか☆マギカのキュウベェみたいなことを言い出すんですよ。
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ヒャバイ!!まどマギについて語ったらひと記事余裕で書ける!!これ国民全員見た方がいいアニメだと思う。鬼くっそエグられるんですよ!!萌え~な絵からは想像が出来ないほど、内容がごんぶと。夏目漱石の『こころ』に匹敵するほどのエグり系文学ですよ。(当社比)号泣しながら何ターンも見た!!
あ、ファウストね。ファウスト。
で、メフィストフェレスの条件にファウスト博士ライドオンしまして、若返って色んなことをするんですよ。まあ、本当に「お前、クソだな」みたいなヤンチャの限りを尽くしたりしながら、どんどん人生の喜びとは何かということを体験し、生きる喜びに目覚めていく壮大な話なのですが
わたしはファウストから学んだことは2つで、1つは『体験こそ人生』ということと、2つ目は『人の多幸感は事実とはなんの関係もない』ということ。
ファウスト博士って、悪魔が呼び出せるほど全ての学問を修めたのに「はー人生つまんねー何も分からなかったー」って言うんですよ。だからね、知識って人生で使って知恵に変えなきゃ、本当に面白くないんだよなぁって、もう240年前の人だって言ってるわけですよ。
アルケミストもファウストも、全世界で大ベストセラーになり、時代を超えて人々に読まれている作品じゃないですか。やっぱりそういう不朽の名作の中には共通した「不変の真理」ってあって、わたしはそれが「行動せよ人生」というメッセージだと解釈したわけです。
ありきたりな言葉だけど、「知ってる」と「出来る」は違うし、百聞は一見にしかずだし、一見は一体験にしかずだなぁと。
だからねー是非「アルケミスト」を読んで頂きたいのです。読んで人生を変える小さな一歩を踏み出す勇気と知識を、この本から受け取って欲しいのです。あと、人によっては理解が及ばないところがあると思うけれど、それは私も一緒で、言っている言葉のすごさは感じるけれど、イマイチどういうことか分からない。って思う事ってあると思う。
そんな時は無理やり理解しなくていいし、「難しかった」「よく分からなかった」と言って、本を捨てないで欲しいのです。理解することを諦めないで欲しいのです。分からないことは「経験が足りない」から分からないんだ。もっと言えば「いま分からないだけ」なんだ。未来は分かる可能性が高い。それがどれくらい先の未来なのか、明日に理解が及ぶのか、それは誰にも分からない。
分からないけれど、その「分からない言葉」を大事に持って生きて欲しいんだ。今全てが分からなくても、蓄えた正しい知識っていつか繋がって「知恵」に化ける、まさに「知恵の実」だから。それを得るために私は生きていると言っても過言ではない。
多くの人がその「分からない」に対して、安易に答えを出してしまうか、もしくは「分からない」という状態はモヤモヤするし不快だから、誰かが出した答えをさも自分の答えかのように解釈してしまい、その結果、いつまでたっても人の意見に振り回されたり、正しさを求めてしまい「自分で考える」ということを破棄するからオリジナリティも世界観も薄っぺらいのだと思う。
私はそこに対する執着がすごい。「分からない」ものは「分かりたい」と思うから「分かる」までずっと人生の中で疑問を持ち続けられる。ずっと考えて、あーじゃねーこーじゃねーと思いながら自分の経験と照らし合わせて思考して、ある日「あ!」と解を得る。
それが何年かかってもいいんだ。何年かけてでも「知りたい」という欲求が、たぶん人より少しだけ強い。そしてそういう人間には、今回の「アルケミスト」という本はベストパートナーだと確信する。
この本と一生共に生きるのだと思う。
何かに迷ったら、この本を読み勇気をもらい、この本に書かれている「愛」を分かるためにこれから先は生きていくのかなと思う。
理解するためには、行動しなければならない。ああ、人生は最後まで飽きないように出来ているものだ。
書きなぐりましたが、「アルケミスト」読んだことが無い人はこの機会にぜひご一読ください。鬼おススメです。